馴染みのひとたちと寄り添い、助け合いながら暮らし続ける…、
そんな下町情緒あふれる町屋の暮らしを守りながら、
ひとと自然が交わりあい、川が流れるように次第にまちが変わってゆく…、
そんな新しいまちづくりに貢献する施設をつくります。

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かつてこの地には、「お茶屋の渡し」と呼ばれた渡し場がありました。対岸に三件の茶屋があったことからこの名が付いたと言われています。
別名を「お竹の渡し」。茶屋に「おたけさん」と呼ばれる女性がいたために、そう呼ばれていたそうです。渡し船を待つひと達の交流と賑わい…川と共に生活し、川を介した憩いと交流の場が、この街の原風景です。戦後、急速に進む都市化の中で、水害対策として隅田川流域にはコンクリート防潮堤、いわゆる「カミソリ堤防」が屹立し、まちと川は分断されていきます。
しかし、現在計画されているスーパー堤防計画は、防災機能の向上と同時に親水性を高め、「川」と「まち」が再びつながり、隅田川と調和した新しい地域景観が形成されています。
この「おたけの郷」は、こうした「川(緑・光・風)」と「まち」の結節点にあります。「川」「まち」「ひと」の接点をデザインテーマとし、あたらしいまちづくりに貢献する施設計画としています。

「おたけの郷」は、入居者の方々が「有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう」、
地域の方々が気軽に立ち寄れ「人と人との繋がりが生まれる施設」となれるよう、設計・設備にもこだわっています。